2015年07月20日

愛すべき不審者

愛すべき不審者
少し離れた場所から、そんな様子を眺めていたら、声をかけられなくなってしまった。ファンです!と買った本を差しだしてサインをもらおうか、と何度も思ったけれど、出来なかった。その不審な行動を目撃されていたと分かったら、きっと嫌だろうし(あたしの目から見れば天妍專業紋繡中心、愛すべき不審者だったけれど)。何よりも、『無類の「本好き」が自分の本を出せたことの喜びと不安』という、隠しきれないほどのその想いが痛いほど分かって、なんだか胸がじわんとしてしまったのだった。

それから後、彼はずんずんと文学界に進出し溶け込んで、2012年5月の「別冊文藝春秋」でついに小説誌デビュー、そして今年1月発売の「文學界2月号」に掲載された「火花」で一気にブレーク母乳餵哺

この「火花」。正直に言うと、どうして「芸人」の世界を描いたんだろう、と思っていた。彼が芸人であることは誰もが知っていることだし、となれば登場人物はどうしたって又吉に重なる。小説の中の先輩後輩芸人の会話も行動も、下手をすると「ネタ」のように読めてしまう。それってもったいないんじゃなかろうか。せっかく「書く力」もセンスもあるんだから、いっそ芸人から離れた世界を描くほうが、偏見なく実力を認めてもらえるのではないだろうか、と歐亞美創醫學集團

でも、そんなのは杞憂だった。こんなに沢山の人が、その才能を、実力をきちんと認めた。すごいことだなぁと思う。受賞後、「火花」は急激に販売部数を伸ばし、ついに100万部を超えてしまった。19日の情熱大陸では、受賞の瞬間まで追いかけた異例の映像が放送されるし、20日のビストロスマップのゲストは、なんと、又吉、湊かなえ、西加奈子。スマスマに作家たちが一挙に出演するなんて。なんだか妙にどきどきしてしまう。




Posted by guiei at 18:04│Comments(0)quite
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